Design from ahed 2013
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4ahedのデザインとデザイナーを紹介───2多店舗の展開を見据えた動物病院目黒洗足動物病院目黒洗足動物病院は、閑静な住宅地の駅前商店街にある医院です。二人の先生が共同で新規開業し、今後の事業計画として店舗を増やしていくことを視野に入れて設計してほしいというご依頼でした。そのため、この医院は将来的に多店舗展開していくための第1号店という位置づけになっています。多店舗展開のためのデザインコード都心でペットと暮らす人たちのために「地域密着型で、親しみやすい店舗であること」「駅前商店街になじみながらも雑多な店舗の中で存在感を発揮するようなデザインであること」等をがテーマになっていたので、カジュアルでありながら特別感のある医院を目指しました。  多店舗展開という展望に対しては、スチールサッシのファサードと受付の背景となるデザインタイル、木というアイテムを共通のデザインコードとして位置づけ、それぞれの立地や店舗で使用の仕方をアレンジしながら、支店の共通イメージをつくって展開していくことを提案しました。多店舗展開を考えるときに、チェーン店のような同じデザインを繰り返すのではなく、緩やかなデザインコードを決め、それぞれの店舗でアレンジしながら展開することで、どんな地域でも地域密着型の親近感とグループ病院としての信頼感の両方をつくっていきます。  今回の1号店はイチョウ並木のある商店街に、イチョウの葉の形をしたタイルが貼られているレト伊原孝則 株式会社ファーイースト・ デザイン・ラボ(FEDL)代表1965年大阪生まれ。関東学院大学卒業。いくつかの設計事務所を経て、個人住宅の他、九十九島観光船の基本デザイン、パラオリゾート開発プロジェクトマスタープラン作成等、パラオ共和国のプロジェクトを手がける。2009年現社名に名称変更。 より総合的に建築・都市・生活を 考えるデザイン事務所として活動を開始。http://fedl.jp/ロなビルの一階。ファサードをブラックでエッジの効いたシンプルなものにすることで、古くからある混沌とした商店街の中で際立たせ、イチョウのタイルの外観と呼応するように、変形のモダンなタイルを受付の背後に配することで外観とのつながりを、また木の質感で温かみを出しています。動物病院が地域で選ばれるときに、信頼感とともに、先生のパーソナリティーが医院にも現れ、動物病院と先生が一体となって個性が街に現れることが差別化の一つになると思いデザインしています。

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